持続化給付金詐欺未遂(?)に遭遇(三鷹の公認会計士・税理士のブログ)
2021/08/17
約1年前、持続化給付金の詐欺と思われることに遭遇しました。
去年の9月下旬、事務所に「ある会社から外注を受け売上のある個人事業主が7人いるが、誰も確定申告をしていないので、確定申告をお願いしたいが、いくらかかるか?」という電話がありました。
その時は、特に疑問も持たなかったので、「一人当たり5万円が基礎として、申告内容によって加算します。加算額については、詳細を伺わないことには分かりませんが・・・」と回答したところ、「それで構わないからお願いしたい。」とのことでした。
「それでは、確定申告の対象の人の個人情報、業務の概要、売上データ、健康保険、生命保険、医療費等が必要です。」というと、「メールで送ります。」ということでした。
その後、数日経ってメールで上記の個人事業主の情報が送られてきました。
メールに添付されていたのは、各個人事業主の個人情報と販売促進業務を受託している会社への請求書、売上台帳の3種類で、全てエクセルで作成されており、健康保険や医療費等その他の情報については添付されていないという怪しいものでした。
また、この7人ですが、年齢は19歳から23歳までと若く、売上金額も各人ともほぼ120万円程度で、5万円を払ってまで確定申告をする収入じゃないなと思いました。そのころ、持続化給付金詐欺が巷で話題になりつつあったことから、これは「持続化給付金詐欺ではなかろうか?」との疑念が生じ、委託会社について法人番号を検索すると該当するものがなく、この時点で疑念は確信に変わりました。
依頼主に「この委託している会社の業務内容と所在地を教えてください。また、個人事業主であれば、税務署に提出した開業届があるはずなので、税務署の受領印のある開業届を確認するように税理士会から言われていますので、そちらの提出をお願いできますか」とメールで問い合わせたところ、それっきり音信不通となりました。
とりあえず、未遂で済んだのでしょう。
なお、一時支援金や月次支援金の事前確認には「月次支援金の不正受給又は無資格受給を行った場合~中略~特に不正受給の場合には受給額に延滞金及び2割の加算金を加えて返還する義務を負うことや、氏名等の公表及び刑事告発され得ることを認識しているか。」という項目があります。これは、持続化給付金は即時性の観点から、チェックが甘く、詐欺被害が多かったため、やはり加えられた項目なのでしょうか?