税務難民-その2
2021/05/30
この内容も”税務難民”に関するものです。
個人事業主で、従来は青色申告事業者として、確定申告を行っていました。経理業務については、記帳代行会社と契約し、自分ではレシート・領収書を月ごとにまとめ、請求書発行控と共に年明けに当該記帳代行会社に送付していました。
記帳代行会社は送付された資料に基づいて会計システムに入力し、全ての入力が完了した後に会社で契約している税理士にデータを送り、その税理士が青色申告として税務申告を行っていました。
しばらく、この状況が続いていましたが、2年前からその記帳代行会社と連絡が取れなくなり、手許にある過去の確定申告書にサインしてある税理士事務所とも連絡が取れなくなりました。
確定申告をする必要があるとは思いながらも本業が忙しく、申告を行わないまま2年が過ぎ、3年目に当事務所を訪ねて来られました。
結果として3年分の確定申告となり、2年間確定申告を行っていなかったため、青色申告事業者ではなくなり、各年にあった節税対策としての青色申告控除(65万円/年)が使えなくなりました。その分、納税額が増える結果となりました。
必要な時に税理士がいないという状況、これも税務難民の一例と言えるのではないでしょうか。
想像の範囲ですが、この記帳代行会社と税理士はそれぞれ「にせ税理士」、「名義貸し」として当局に摘発されたのではないかと思います。
納税者が記帳代行会社に経理業務を任せることは、税理士でないのに税務業務を行ったとして「にせ税理士」として、税理士法違反になります。また、税理士でないものが作成した申告書に税理士がサインをすることは「名義貸し」としてその税理士も税理士法違反になります。
税理士は自分で契約しなくてはなりません。