消費税法:インボイス制度の導入に思う②~困る人たち~
2021/06/29
消費税で思うところの2回目です。
さて、「インボイス方式」です。(正確には「適格請求書等保存方式」と言いますが、「インボイス方式」で通します。)
当時の会社では、現場から個人事業主さんに業務を発注することも割とありました。
ですので、その方たちには税込金額としてお支払いをしていましたけれども、その分が納税されているとは正直思えず、「なんで『税込金額』なんだろうなー?」と軽く疑問に思いながら、業務にあたっていた覚えがあります。
で、今回、「インボイス方式」に関する研修を受講しまして、きれいにその疑問が解消されるに至りました。
個人事業主さんは、消費税を仮受していたけれども納税しなくてもよかった(←免税事業者なので)…その分がまるまる個人事業者さんの利益になること、それを「益税」と呼ぶのだそうです。
「益税」は問題ですので、インボイス方式の導入は、正しい流れだと思います。そこに異論の余地はないと思います。
ただ、実態としての問題は…、たぶん、個人事業主さんは「益税」の自覚がなかったのではないか、と思うのです。自分が免税事業者であること(消費税を納税してないこと)は自覚できると思います。しかし、「売上の際に消費税分を仮受して預かってた」という自覚のある方は少ないかもしれません。本体価格に消費税分を上乗せして請求する形ではなく、税込金額として特に消費税率を併記もせずに請求する形の方が多いのではないかと。後者の方はたぶん「払ってないけど、もらってもいない」もしくは「よくわからないけど、ま、いっか」という感覚なのではないかと。そのような自覚の方が、「益税だから、今後はちゃんとして、払わなきゃいけないよ」と言われたら、そりゃあ、戸惑いますよね・・・。そういう問題です。
消費税は、最終消費者が負担する税金で、仕入から売上までの過程で課税されている分については最終消費者が支払うべき税金を預り、代わって納税しているだけで、本質的には利益・損失には無関係な税金なのです。しかし、消費税を納税する会社にしてみれば、「どうしてこんなに納税するのか!?」という負担感がかなりあるように思います。(主観ですが...)