消費税法:インボイス制度の導入に思う③~導入タイミング~
2021/07/01
そのようなこともあって、私の問題意識というか、個人的な興味は、どうして消費税制度導入の最初から、インボイス方式を採用されなかったのかな、ということです。諸外国では、広く導入されていると聞いていますので、導入当初よりインボイス方式を取り入れることは可能だったのではないでしょうか。
想像ですが、まずは「消費税」で薄く広く取る、これを是が非でも定着させたかったのかな。個々の取引について、税を認識せよ、となると、事務処理に対応しきれない中小事業者の反対にあったり、経済失速を招いたりするわけにはいかない。だから、そのような事業者は免税できるとしないと現実的ではない、という判断だったのではないでしょうか。
でも、そのおかげで、中小事業者の税意識を適切に醸成できなかったというのは…。ある意味、日本のガラパゴス的な「あるある」のような気もします。とりあえず、やっちゃいましょう、辻褄合わせは後からでもできる、みたいな。
最初からわかりやすく制度設計してくれる方が、税教育の面からは良いと思うのですけどね。でも、まあ、今さらの話ですね。
繰り返しになりますが、令和5年10月に「インボイス方式(適格請求書等保存方式)」への移行が予定され、令和3年10月に「納税義務者の登録制度」が開始します。
現在、免税事業者で、今後、インボイス方式に対応せざるを得ない事業者さま。(対応は大変かと思いますが、)なるべく少ない手間で、なるべく将来のビジネスへの影響を抑えるよう計画的に、適切に対応をしていきましょう。経理システムはどんどん対応していくはずですので、そういったものもうまく利用していきましょう。また、ご相談ください。