足立税理士・公認会計士事務所

監査法人はブラック企業?(三鷹の公認会計士・税理士のブログ)

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監査法人はブラック企業?(三鷹の公認会計士・税理士のブログ)

監査法人はブラック企業?(三鷹の公認会計士・税理士のブログ)

2022/01/23

 東洋経済に『「ブラック」な公認会計士の仕事に未来はあるか 規制強化で中小監査法人の淘汰が迫っている』当記事が記載されています。

 内容を見れば「なるほど」と納得できることばかりです。

 確かに、私自身スタッフ・シニアスタッフの時代はブラック企業真っ青の業務内容でした。ひたすらPCに向かい数字のチェックをして、朝9時半過ぎからクライアントに行き、17時頃まで監査を行い、それから事務所に戻って監査調書のまとめと翌日の準備の繰返しです。(試験合格後から3年目で公認会計士となるまでがスタッフで、3次試験後に公認会計士になりマネジャーに昇格するまでがシニアスタッフ、:マネジャーになるのは、当時は早い人で合格後8年目だったかな。)

 日本の監査報酬は欧米と比べて低いと言われています。私が監査法人時代に関わったことのあるグローバル企業は、グループ総額で年間20数億円の監査報酬を払ってましたが、上場準備の会社などは、規模にもよりますが、500万円~1,500万円程度が多かったように思います。(現状の詳細はわかりませんが、日本の監査法人の監査報酬が国際水準と比べて低いという状況は、そんなに変わっていないのではないかと思います。)

 往査に際して、クライアントのデータはPCにはない状態で向かい、クライアントに着いてから事務所のサーバにアクセスしてダウンロードし、業務終了時にその日のデータをサーバにアップロードし、自分のPCにはクライアントデータは入っていないという状況で事務所に戻ります。機密保持の観点からシン・クライアントが徹底されてるんですね。そこから調書のまとめ等の作業を行いますが、22時にはサーバの電源が落とされるため、仕事はできなくなります。(主査の中には22時前にデータを自分のPCにダウンロードし、自宅で作業し、翌日にそのデータをアップロードさせているという噂を聴いたりしますが、もしあったとしても顕在化する前できなくなるんででょうね。)

 思い起こせば、20数年前に話になりますが、まだ、監査法人としてクライアントに様々なコンサルティングができた時代(エンロン事件前)、深夜の2時に事務所を戸締りして退出しようと電灯を消したら、代表社員室から「誰だ、電灯を消すのは!まだ、いるからつけろ!」という声が聞こえてきました。当時は仕事の終わりが深夜の2時・3時というのは異常なことではなく、同じビルの向かい側の事業会社から「監査法人は不夜城ですね。」と言われたりしてました。

 確かに、人員が40人以下の中小監査法人は上場企業の監査という点では、減っていくかもしれません。

 加えて、日本公認会計士協会も上場企業の監査を行う監査法人の業務品質の強化のための施策も策定しています。

 しかし、農協監査に特化した監査法人とか社会福祉法人に特化した監査法人などもあり、そのパートナーは当然税理士登録もしており、四六時中監査をしているわけではありませんので、中小監査法人はまだまだ残っていくと思います。

 

「ブラック」な公認会計士の仕事に未来はあるか ―東洋経済 2022/1/20―

https://toyokeizai.net/articles/-/503979

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