CMSのリスクが発現(三鷹の公認会計士・税理士のブログ)
2022/03/14
貨幣処理機大手のグローリーの子会社のコインロッカー保守のグローリーサービスで元総務課長代理だった社員がCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を悪用して13年間で21億円もの資金を横領していたとのこと。
詳細は、神戸新聞の記事を参照してください
コロナ禍で事業低迷、親会社からの救いの手を悪用 グローリー子会社21億円横領|総合|神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)
去年の6月のブログでもCMSのグループ会社への導入についてはリスクがあると言っていましたが、とうとう、このような形での発現に遭遇しました。
少し前に監査法人で監査クライアントの内部監査のアウトソーシング・コソーシングをしていた時の話です。
そのグループ会社で「CMSを導入する」ということになりました。
これについて、「確かにCMSを導入すれば、グループの資金効率は改善され、グループ全体として金融機関に支払う利息費用等も少なくなるというメリットはありますが、内部統制が十分でない小規模なグループ会社に導入することで不正かつ多額に引き出されるリスクがあります。
従って、グループ会社のトップとして、グループ会社の資金効率化と資金が不正に持ち出されるリスクを勘案して決めるべきで、導入するのであれば、末端のグループ会社の内部管理を適時・適切に監査してください」と伝えました。
その後、会社はCMSを導入しましたが、大きなニュースとして露見していないので、大きな不正はなかったのでしょう。
今回のグローリー者の事件では、子会社に内部統制がなく、悪意を持った担当者により21億円も横領されたということです。
内部統制について書きたいことはまだまだありますが、それはまた別の機会に。