一見さんの確定申告―その1
2021/06/17
いきなり電話で確定申告を依頼してきた個人事業主がいました。
去年までは、とある税理士に確定申告をしてもらっていたとのこと。
理由はわかりませんが、その税理士と折り合いが悪くなり、連絡を取っていない状態が続き、年を越して確定申告という時にホームページで見たとのことで私に依頼してきました。
一見、真面目そうな人で、とりあえず確定申告を行うということになりました。
一年分の売上・仕入・経費の台帳があったため、それに基づいて記帳し、計算を行いました。 売上高は約4000万円でした。
台帳の売上・仕入・経費をすべて入力して、所得税の納税額を試算して伝えたところ、「納税額が多すぎる!」との言葉をいただきました。
これに対して、預かっている資料をすべて入力した結果であると伝えると、「このまま申告したら、次年度からも納税額が増えてしまう。去年までは、売上の一部の未計上にしてもらっていた」。とのことでした。
さらに、売上台帳を開き、「今年も申告に当たっては、この少額の取引先の売上を除外して申告してくれ。」と詰め寄られました。
売上未計上は脱税となるため、「そんなことはできない」というと、「税理士を変える!」と言ってきたので、さすがに脱税を要請してくる顧問先は要らないので、「どうぞ、お好きなように。脱税幇助はできません。」と応え、確定申告を請け負わずに終わりました。
今日のニュースでは、持続化給付金の不正受給で逮捕された国税OBの元税理士もいたとのこと。
改めて、気を引き締めて、マジメにやっていこうと思いましたね。